ネ タ 帳

 自分が働いている会社は、お堅い職場であるためカミングアウトはしておりませんが、 身の程知らずにも、学生時代に漫画家を目指していた一時期がありました。
 下宿部屋で一人鬱々とデッサン、ネームをしていると、世間と隔絶された閉鎖空間の中では、誰しも自分が漫画家としての資質(画力+ストーリー構成力等)を持ち備えていると勘違いをしてしまうものです。
  漫研、同人、コミケとて、所詮は、あくまで同じベクトルの志を持った同士の場。
 童顔少女を猫耳にしようが、Tシャツごしにビーチクの突起部分を強調した巨乳にしたてようが、自己完結された世界には違いないため、たとえ同士からどのように痛烈な批判を受けようとも、「自分って天才?」という自信(=勘違い)が揺るぐことはありません。

 しかし、それまで自己完結が許されていたアマちゃん達は、出版社への「投稿」により現実・世間を知ることになります。
 度重なる落選、及び投稿担当の叱咤激励により叩き上げられて、残った者のごく一部が雑誌への掲載を許されていくのでしょう。

 私も落選を繰り返し、画力、構成力の無さを思い知らされて、挫折のうえ現在の会社に就職したクチです。
 社会人になってからは、本当に暇な職場であった一時期を除いて、漫画の投稿からは完全に離れて、地方に埋没しています。

 来年に定年退職を迎える今となっては、徹夜を余儀なく繰り返してまで投稿するパワーは既に残っていないし、もう何十年もペンを握っていないため、画力も更に落ちてしまっていることでしょう。
 また、時代の流れにも取り残され、パソコン・タブレットを使ってCGで画力不足を補う術も知りません。
 投稿当時と比べてアップしているのは「経験力」だけかも知れません。

 ブログで日常の瑣末を羅列していると、大学時代の仲間を初めとした一部の方から、「ドキドキした。」などと意外に好評の返事をもらうことがたまにあります。 
 ウソは書いてないのですが、文章を組み立てる際、間・ケレン味・伏線の張り方などにおいて、無意識に漫画の作品の構成を踏襲しているからなのかもしれません。

 そこで、ここでは、積み重ねてきた色々な経験に大風呂敷のホラを交えて、更に過去の作品の一部を剽窃して、短編の私小説風に構成してみることとしました。
 (ゆえにここに掲載する内容はすべてフィクションです。念のため・・・)

 併せて、社会人になってから作成した、稚拙な漫画も掲載しておきます。

「サラタビ」と並行して、随時掲載していきたいと思いますので、同世代の社会人に、少し「チクッ」とした思いなどを共有していただければ、幸いです。

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@彼女の思惑(私小説的随筆)

A続 彼女の思惑-小さな棘-(私小説的随筆)

B奈義のいた町(私小説的随筆)

C奈義のいた村(漫画 ※B「奈義のいた町」原作)

D伊豫國風土記(漫画)